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小学校受験 「個性」の捉え方を間違えてはいけない

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小学校受験で(中学校もですが)願書の志望動機を書く時の鉄板ネタとも言うべき内容がありまして、

それは、

個性

です。

 
個性を尊重
個性を伸ばす
個性を重視

などなど、私立の小学校・中学校のたいていのところは、右を見てもも左を見ても、あっちもこっちも個性、個性です。

とても個性を大切にした教育をしてくれます。

ですから、その部分に大いに賛意を示す意味で、

「貴校の個性を尊重した教育理念に、私どもは・・・」

という趣旨の内容を盛り込みます。

 
これはこれで良いのですが、が、しかしです。

「個性を大切にする」ということを、保護者の方はもう少しセンシティブになって理解に努めたほうがよいのかなと思います。

 
個性を大切にしてくれるというのは、我が子を理解し良い部分を伸ばしてくれるという意味で、本当に素晴らしい教育の理念だと思います。

他方、これを言葉通りに受け止めてしまうと、面接のときに恥をかくとまではいかなくても、面接を担当する先生に「ん?この保護者たぶん意味わかってないなあ」と思われてしまう可能性があります。

 
と言うのも、一昔前の紋切り型の学校教育ばかりだったころは、「個性を大切にする」というのは非常に切れ味が鋭く、今よりももっと素晴らしいもののように映っていたはずです。

しかし、現代社会に目を向けてください。

価値観の多様化、ダイバーシティ、LGBTなど、センシティブなまでに「個」に目が向けられています。

もちろんこれらは、平等、公平、みんなが幸せになる機会を、という点ではとても意義があることですが、他方、これらの意義があることとはだいぶ違った意味合いで「個を重視しなければならない」感が強くなりすぎて、ネガティブな意味での「人それぞれ」「よそはよそ、うちはうち」という空気が充満していて、昔に比べて人付き合いがしづらくなっているように感じるのは、私やあなただけではないはずです。

カッコよく言うと、一昔前と比べて、個人主義がちょっと強くなってきている、人の分断が起きてきている、ということですね。

そのような中で、単に「貴校は個性を尊重している」うんぬんと捉えると、とても浅いと言いますか、薄っぺらくなりますので、もう一歩踏み込んで「個性を尊重する」とはどういう意味だろう?と考えていただきたいわけです。

 
たとえば、

集団の中での「個」はどうあるべきなのか?
個は良い部分を伸ばし、良くない部分は見ないことなのか?
「人それぞれ」ではない個の尊重とはどのようなものなのか?

このあたりを考えていただくと、イメージが湧いてくるのではないかと思います。

 
それにしても、「人それぞれ」「よそはよそ、うちはうち」って、自分のやっていることに誇りを持っている方が使えばすごくカッコイイ表現ですね。

そうじゃない人が使うと、なんだか端っこに追いやられて拗ねているみたいに見えます。

自分で自分をどれだけ信じているか。なかなか紙一重な言葉ですね。

 
 
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